【団体紹介】鋸南復興アクセラレーション
千葉県鋸南町。2019年度の台風15号において被災し、復興支援の道のりを歩んでいる人口7,409人(2021年1月1日現在)の海に面した町です。
ここで活動する「鋸南復興アクセラレーション(以下、アクセラ)」は台風15号の後に設立した任意団体です。被災直後は外部団体と連携しながら災害ボランティアセンターの運営に携わり、今でも鋸南町社会福祉協議会の一角を借りて、「復興ボランティアセンター」として活動を続けています。
なんとなくお互いは知っている程度
アクセラで活動するのは、代表の堀田さん、副代表の笹生さん、広報の清水さんの3人。3人は台風15号による被災前は「なんとなくお互い存在は知っている程度」だったそうですが、台風15号時に災害ボランティアセンターに携わったことをきっかけに、団体を立ち上げ、活動をスタートしたそうです。
■堀田さん:鋸南町出身。「鋸南復興アクセラレーション」「鋸南町ロータリークラブ有志ボランティアグループ」代表。団体での代表を務めながら、「介護事業所」を経営している。また、料理人でもありお寺の息子でもあるという多彩なバックグラウンドをもつ。 | |
■笹生さん:館山市出身。「鋸南復興アクセラレーション」副代表。台風発災時に役場で配給していた物資をもらいにいったところ、殺伐とした状況にいたたまれなくなり、翌日から飛び込みでボランティア活動を始める。 | |
■清水さん:東京都出身。鋸南町に地域おこし協力隊として2018年9月に着任。広報を担当し、WEBサイトやFacebookでの情報発信、全戸配布の「広報誌」の発行などを担当。 |
発災後~の課題と取り組み
鋸南町では、住家被害をうけ、屋根を始めとした家屋修繕をしたいものの対応できる工務店が不足しており、すぐには修繕に入れないことから、破損した屋根にブルーシートをかけ、定期的に張り直しながら生活をしている世帯が少なくありません。
アクセラでは、ボランティアセンターに来たニーズを受け、現地の調査(屋根の破損具合、屋根の破損による室内の湿気によるカビ発生度合いなど)を行い、ボランティアさんが屋根のブルーシート張りや、室内のカビ除去を行っています。
ニーズの内容などにもよりますが、多い時には週3~4日程度ボランティアによって屋根の修繕やカビの除去が行われていました。発災から1年以上経った今では、屋根の応急復旧処置に関してはニーズが減少してきていますが、室内のカビ除去についてはまだまだニーズがあります。
新型コロナウイルスの影響で、思うように作業が進まないこともありますが、今でも、被災当時から変わらずに町外から来るボランティアもたくさんいるそうです(町外から来る場合は必ず検温をするなど、対策を行っています)
住民の心に寄り添うコミュニティ支援
発災後、被災した家屋を解体し更地になってしまったところも多く、地域のコミュニティも変容しました。アクセラでは月に1回程度足湯とお茶会を開催しており、地域の住民が集まれるきっかけ作りも行っています(詳しくは:足湯で繋げる地域のコミュニティ)(※緊急事態宣言により取組は中止中です。2021年1月現在)
また、情報発信事業として月に1回広報誌を発行し、住民へ団体存在を周知すると共に、鋸南町民の防災・減災への意識を高めることにも取り組んでいます(詳しくは:広報誌が果たす地域コミュニティへの役割)
休眠預金等活用事業としては2022年3月までの活動を予定しています。次回の記事では、団体さんへのインタビューと共により具体的な活動内容に迫ります!